法人の節税対策
全損保険はもう古い?本当にメリットのある法人税の節税対策方法とは

節税対策は全損保険よりもオペレーティングリースがおすすめ

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数ある法人税の節税手段の中で、特に節税効果が高く人気を集めていたのが全損保険の加入です。

支払った保険料の全額を損金算入できるため、利益の繰り延べ策として多くの法人が取り入れていました。

しかし、2019年に行われた税制改正で全損保険に対する取り扱いが見直され、従来のような節税効果が得られなくなったのです。

ここでは、全損保険の仕組みと法人税の節税対策に活用するメリット・デメリットを解説。

税制改正によってどのような変化があったのか、また全損保険の代わりとなるおすすめ節税対策もまとめています。

これまで全損保険を使って法人税の節税を行っていた方はぜひチェックしてみてください。

生命保険協会認定FP(TLC) / 相続診断士 / MDRT成績資格会員(COT)

この記事の監修担当者:高橋進

新卒で大手百貨店に入社。食料品部では催担当、労働組合では執行役員を務め、接客販売と社内改善に貢献。グッドサービス賞受賞。

その後2013年、外資系大手生命保険よりヘッドハンティングを受け転職。各コンテストで入賞を果たし、個人保険全国3200人中4位特別表彰など業績を拡大。2015年大手上場金融代理店に入社。

MDRT、COT成績資格会員と実績を伸ばし、ワンストップで顧客のための金融サービスを展開する独立型資産形成アドバイザーとして、マネーセミナー講師をしながら、個人から法人、幅広く提案している。その後、非金融業界の会社経営などにも参画し、幅広い知識と経験を持つ。

個別相談のご要望も承りますので、お気軽にお問い合わせください。

全損保険による法人税節税の仕組み

全損保険とは、支払った保険料の全額を損金として扱うことのできる、法人向け保険商品の通称です。

定期保険(生命保険)や第三分野保険(がん保険・医療保険)の商品に多く、主に法人税の節税対策として多くの企業に利用されていました。

まずは、全損保険の仕組みとメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

全損保険に加入した場合の経理処理

ここでは生命保険の定期保険を例にして、全損保険の仕組みを解説していきます。

定期保険とは、一定の契約期間の中で被保険者が死亡した場合に保険金を受け取ることのできる生命保険です。

掛け捨て型のため満期返戻金がなく、法人税の節税対策として活用する場合は解約返戻率がピークのときに解約するのが一般的な使い方でした。

全損保険の保険料を支払った場合の経理処理は以下の通り。

貸方借方
支払保険料:1,000,000普通預金:1,000,000

また解約返戻金を受け取った場合の経理処理は以下の通りです。

貸方借方
普通預金:10,000,000雑収入:10,000,000

定期保険には全損保険の他、損金割合によって「1/2損金(半損)」「1/4損金」などの商品もあります。

全損保険以外の商品は、損金計上できる部分を支払保険料、資産計上になる部分は前払保険料などの勘定科目で処理します。

全損保険を使って法人税を節税するメリット・デメリット

法人税を節税するには、より多くの損金(経費)を計上して法人税の課税所得を減らすことがポイントです。

そのため保険料の全額を損金計上できる全損保険は、法人税の節税対策として人気の手段でした。

また全損保険は解約返戻率が80%以上などの高い割合に設定されているケースが多く、少ない損失で利益を繰り延べられるのもメリットです。

更に、保険料という形で簿外に資産を確保できる点も全損保険のメリット。

損金計上で節税を行いながら、将来への積立金を準備できるため、万が一のことがあった場合でも対策をとりやすいでしょう。

一方で、全損保険を使った法人税の節税対策にはリスクもあります。

全損保険の解約返戻率はタイミングによって異なり、割合の低いところで解約を行うと損失が大きくなります。

出口戦略として解約返戻金を社長や役員の退職金に充てようとお考えの場合は、事業計画に合わせた商品選びが大切です。

また全損保険に加入した場合、毎月または毎年の保険料支払いが必要となります。

毎年安定した利益が出ている法人なら問題ありませんが、保険料の支払いが負担になるような場合は経営難につながるリスクがあるので注意しましょう。

2019年の税制改正により全損保険での節税にメス

法人税の節税対策として人気の全損保険ですが、2019年の税制改正によって取り扱いが大きく変更されました。

ここからは、全損保険の取り扱いが見直された背景と、具体的にどのような変更が行われたのかについて詳しく見ていきましょう。

国税庁が通達を見直した背景

国税庁は2019年2月14日に、全損保険に対する法人税法上の取り扱いの見直しを発表。

生命保険会社各社では全損保険の販売停止・自粛に追われるなど、「バレンタインショック」という通称で大きな話題となりました。

その後6月に税制改正が実施され、現在は新ルールに沿った処理が必要となっています。

そもそも定期保険などの生命保険は、支払った保険料に対する保障を受けることが本来の目的です。

しかし、解約返戻率の過度な引き上げや平準化・逓増(ていぞう)保険の登場により、法人税の節税商品としての利用が過熱。

これまでも国税庁では個別通達の見直しを行っていましたが、その都度ルールの穴をつくような保険商品が登場し、イタチごっこの状態でした。

そこで今回の税制改正では根本的な通達の見直しが実施され、行き過ぎた法人税の節税商品を禁じる動きとなったのです。

税制改正後の新しいルール

これまでは契約期間に応じた損金計上が行われていましたが、今回の税制改正では最高解約返戻率によって損金割合を判定する仕組みに変更されました。

対象となる保険商品は、ピーク時の解約返戻率が50%を超える法人向け定期保険・第三分野保険です。

最高解約返戻率による損金の取り扱いは以下の通りです。

ピーク時の返礼率資産計上期間資産計上割合資産取崩期間
50%超70%以下保険期間の開始日から、当該保険期間の40%相当を経過する日まで当期分支払保険料×40%保険期間の75%相当が経過した日から保険期間の終了日まで
70%超85%以下同上当期分支払保険料×60%同上
85%超①保険期間の開始日から、解約返戻率のピーク期間の終了日まで10年目まで:当期分支払保険料×90%/11年目から:当期分支払保険料×70%解約返戻率のピーク期間が経過した日から保険期間の終了日まで
②上記(①)期間経過後において、年換算保険料に対する解約返戻金の割合が70%を超える期間がある場合、保険期間の開始日からその期間の終了日まで同上同上
③上記(①・②)の資産計上期間が5年未満の場合は、保険期間の開始日から5年を経過する日まで(保険期間が10年未満の場合は、当該保険期間の50%相当を経過する日まで)同上同上

なお、ピーク時の返礼率が50%以下の法人保険については、これまで通り全額を損金計上することができます。

また保険期間が3年未満のものや、最高解約返戻率が70%以下かつ年換算保険料相当額が30万円以下の保険なども全額損金計上が可能です。

とは言え、これまで全損保険として販売されてきた商品のほとんどは、今回の税制改正によってその節税効果を大きく削られました。

今後は全損保険を使った節税対策が行えなくなるため、新たな節税手法を取り入れていく必要があるでしょう。

法人税の節税対策なら「日本型オペレーティングリース」がおすすめ

全損保険に代わるおすすめの法人税対策として、日本型オペレーティングリース(JOL)のスキームが注目を集めています。

最後に、日本型オペレーティングリースの概要と法人税の節税メリットについて詳しく見ていきましょう。

日本型オペレーティングリースの概要

日本型オペレーティングリースとは、オペレーティングリースで取引される物件の購入に出資を行い、利益の繰り延べとするスキームのことです。

リース会社が立ち上げた匿名組合に出資し、期間終了後にリース料・売却益などの分配金を出資額に応じて受け取る仕組みです。

日本型オペレーティングリースの取り扱い物件は航空機・船舶・コンテナの3種類で、1,000万円~3,000万円以上の金額を一括で投資します。

突発的な利益対策として活用できる他、売却益が出た場合には出資額以上の利益を得られるのが特徴です。

減価償却費の計上で多額の損金算入が可能

日本型オペレーティングリースの大きなメリットは、出資初年度から2・3年目までに出資額の100%を損金計上できる点です。

投資家からの出資金だけでなく、金融機関からの借入金も利用して物件を購入するため、出資額の何倍もの物件を匿名組合で所有できることになります。

この場合の減価償却は物件の全体価格に対して行われ、出資額に応じて各投資家へ分配されます。

分配された減価償却費は会社の損金として計上できるため、法人税の課税所得が減少して節税につながる仕組みです。

株式相続・退職など事業承継の税金対策にも有効

日本型オペレーティングリースも全損保険と同様、利益の繰り延べによる節税手法となります。

そのため、損金計上して終わりではなく、リース期間満了時に受け取る益金の対策(出口戦略)も必要。

日本型オペレーティングリースの出口戦略としておすすめの方法が、事業承継にともなう退職金との相殺です。

出資を行って多額の損金算入があった年は会社の株価が下がるため、このタイミングで株式の相続を行います。

そして益金が入るタイミングで退職とすることで、入口・出口の双方で法人税の節税効果が得られるのです。

日本型オペレーティングリースは突発的な利益が出た場合の節税対策としてはもちろん、事業承継にともなう税金対策にも有効です。

また全損保険のように定期的な保険料の支払いも必要ないため、次年度以降の利益に影響されない点もメリットと言えます。

まとめ

  • 全損保険とは、支払った保険料の全額を損金として計上できる定期保険・第三分野保険商品のこと
  • 2019年の税制改正で取り扱いが大きく変わり、従来のような節税効果が得られなくなった
  • 全損保険に代わる節税手法として、日本型オペレーティングリースの注目度が高まっている

現在も保険商品による節税効果がゼロになったわけではありませんが、全損保険のような商品は利用できなくなるでしょう。

これまで全損保険によって節税対策を行っていた方は、新たな手法で節税を進めていく必要があります。

法人税の対策でお悩みの方は、ぜひ日本型オペレーティングリースの活用を検討してみてくださいね。

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