オペレーティングリースの基礎知識
オペレーティングリースのオンバランスとは?新基準で処理が変わるのか

改正による日本型オペレーティングリース取引への影響と会計処理

2019年1月1日以後に開始する事業年度から、新しいリース会計基準IFRS16が適用されることになりました。

これにより、借り手ではオフバランス処理とされてきたオペレーティングリースも、新しいリース会計基準適用によりオンバランス処理が求められることになります。

オペレーティングリースのオンバランス化は、借手、貸手にとってどのような影響があるのか、詳しく解説していきます。

AFP(日本FP協会認定) / MDRT成績資格会員(COT)

この記事の監修担当者:渋谷幸司

新卒で大手鉄鋼商社に入社。5年半、日本を支える鉄鋼企業と世界の橋渡しに尽力した後、2015年外資系大手生命保険会社に転職。転職後も前職のお客様を金融業の側面から支えたいという想いで奮闘した。

日々取り組んでいく中で、世界情勢の変化や、日本社会の制度改定、お客様の思考変化を察知し、自身の事業変革を決断。

2018年大手上場金融代理店に入社し、生命保険業においてはMDRT、COT成績資格会員と実績を伸ばしつつ、所属会社で扱っていないDC(確定拠出年金)などを自ら会社の枠を超えて代理店契約するなど勢力的に活動。現在は保険営業マン向けのセミナー講師を務め、「先生」として同業者から熱い信頼を受けている。

個別相談のご要望も承りますので、お気軽にお問い合わせください。

オンバランスとは

そもそも企業会計における「オンバランス」とは、資産や負債、資本の項目として貸借対照表(B/S:バランスシート)に記載することを指します。

その逆で、貸借対照表に記載しないことを、オフバランスと呼びます。

資産や負債項目をオンバランスにするのか、オフバランスにするのかは、日本の会計基準または国際会計基準によって決められています。

オフバランス取引は、資産をバランスシートと別に管理することができるため、バランスシートに記載する必要がなく、バランスシートをスリム化することができます。

そのため、自己資本比率を高めるための手法として、これまで積極的に活用されてきました。

しかし一方で、オフバランス取引では、資産のすべてをバランスシートでは把握することができず、企業の取引実態がつかめないことから、オフバランス化を悪用する事件なども増え、近年ではオフバランス処理だったものがオンバランス処理されるようになってきています。

今回の新しいリース会計基準IFRS16の適用により、オペレーティングリース取引もオンバランス化となりますが、具体的にどのような変化がおこるのか、次の項目で詳しく解説していきます。

新リース会計基準の適用でオペレーティングリースのオンバランス化へ

リース会計基準が改正されてリース取引がオンバランス化されると聞いても、対象とする取引の範囲が、どこまで適用されるのか分からないという人も多いのではないでしょうか。

どのようなリース取引がオンバランス化の対象となるのか、またオンバランス化の例外に当たるケースなどについても詳しく解説していきます。

新リース会計基準(IFRS16)の内容とは?

リース取引には大きく分けて、ファイナンスリース取引とオペレーティングリース取引の2種類があります。

ファイナンスリース取引は、設備などの購入や借入が難しいときに代替えとして活用されることが多く、実質は借りるというよりも、代金を分割払いしているものとみなされ、借手は資産計上(オンバランス)が原則となっています。

一方でオペレーティングリースはファイナンスリースと違い、購入の代替えというよりも「ものを借りて賃貸料を払う」という賃貸借が強い契約であるため、資産計上をしないオフバランス処理がされてきました。

しかし今回のリース会計基準IFRS16では、借手はリースの種類についてファイナンスリースやオペレーティングリースに分けることをせず、すべてのリースについて資産計上(オンバランス処理)が必要となりました。

IFRS16とは、2016年にIASB(国際会計基準)が公表し、2019年1月1日以降に始まる会計年度から適用となった、新しいリース会計基準のことです。

この新リース会計基準によりリース取引に対する捉え方が見直され、オンバランス処理が必要なリース取引範囲が拡大された結果、借手はファイナンスリースやオペレーティングリースという分け方ではなく「リースかそれ以外か」でオンバランス、オフバランスを判断していくことになります。

またIFRS16により、不動産賃貸やレンタルについても「リース」として取り扱われ、オンバランス処理となります。

そのため各企業では、新リース会計基準によって、オンバランス処理が必要となる契約がないか、徹底して洗い出しをする必要があります。

ただしオフバランス処理が認められるケースも

リース会計基準変更後も、実はオフバランス処理が認められる例外ケースがあります。

それは、短期のリース取引と少額リース取引の場合です。短期リース取引として該当するのは、リース期間が12ヵ月以内のものです。

また少額のリース取引とは、IASB基準として新品時に5,000米ドル以下のものとされています。

なお、短期リースとしてオフバランス処理した取引についても、契約変更時やリース期間の見直しを行った場合に、その時点から起算したリース期間の残りが12ヵ月を超えたときは短期リースとは認められず、オンバランス処理が必要になる可能性があるため注意してください。

日本版オペレーティングリースに対する影響と対応策

リース会計基準の変更に伴い、日本でのオペレーティングリース取引にとって、どのような影響があるのでしょうか。

借手、貸手双方への影響と対応策について確認していきましょう。

借手への影響

オペレーティングリースの借手にとって新リース会計基準適用の影響は大きいものとなります。

まず、これまでオフバランス処理としてきたオペレーティングリースがオンバランス処理となると、貸借対照表に計上される負債の額が増え、財務指標が悪化します。

具体的には総資産利益率や負債比率、資産回転率などに影響がでます。

さらに、貸借対照表だけでなく、損益計算書にも影響があります。

損益計算書では、これまで「リース料」として計上していたものが、新リース会計基準適用後は「減価償却費」と「利息費用」に計上されます。

このように企業にとっては貸借対照表だけでなく、損益計算書にも大きく影響ある新リース会計基準ですが、今後企業の経理部門や企業全体の対応としてどのような対応策が必要なのか、次の項目で確認してみましょう。

新リース会計基準への対応策とは?

新リース会計基準による借手企業の対策としては、まずリース基準変更によりリース範囲がかなり広範になることから、新リース基準によって今後リースに該当すると思われる契約を、漏らさず把握可能にする体制を整えることが必要となります。

契約の形態ではなく「会計基準上でリースに該当するかどうか」の精巧な分類が必要です。

また、新リース会計基準適用後も、例外としてオフバランス処理が認められる短期リースや少額リースがないかなども併せて検討する必要があるでしょう。

貸手への影響

一方でオペレーティングリース取引の貸手については、基本的に改正前のリース会計基準と会計処理はほとんど変更点がありません。

リース取引を今までと同様にファイナンスリースと、オペレーティングリースに分類していくため、貸手に分類の変更点も特段ありません。

新基準の適用後も、借り手に比べると負担はかなり少なく済むと考えられます。

しかし、新リース会計基準後は会計上の処理が借り手と貸手で非対称になることや、これまでオペレーティングリースの借手のメリットであったオフバランス処理がオンバランス処理に変更になることで、各企業のリース離れを引き起こす可能性もあり、貸手への影響が今後懸念されます。

まとめ

新リース会計基準により、借手にとってこれまでオペレーティングリースの大きなメリットであったオフバランス処理ができなくなることは、会計処理上で大きな影響を及ぼします。

リースのメリットが薄れることで、リースではなく購入など他の手段に変更する会社がでてくる可能性もあります。

貸手にとっても影響がでる可能性も高く、今後の動向を慎重に見守る必要があるでしょう。

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